一着の浴衣を、もっと愉しむ~ 髪飾りで広がる、夏のコーディネート

一着の浴衣を、もっと愉しむ~ 髪飾りで広がる、夏のコーディネート

毎年袖を通す、お気に入りの浴衣がある方も多いのではないでしょうか。

「今年もこの浴衣を着よう。」

そう思いながら帯を選び、小物を合わせる時間も、夏ならではの楽しみのひとつです。

同じ浴衣でも、帯の色や結び方、その印象に合わせて髪飾りを選ぶことで、装いはまた違った表情を見せてくれます。

その日訪れる場所や、会う人、なりたい雰囲気を思い浮かべながら選ぶ時間も、装いの大切な一部。

今回は、同じ浴衣に異なる髪飾りを合わせたコーディネートをご紹介します。


 

有松絞り・古典藍色の浴衣

自然の景色と、絞りの花を添えて

 

帯に深みのある色を合わせた装いには、自然が描いた模様を持つ雨花石を添えて、静かな奥行きを。

一方、プラチナ色の三浦絞り花を合わせると、装いにやわらかな光と軽やかさが生まれます。

「Single Petal Bloom」は、三浦絞りの立体的な凹凸を一輪の花に見立て、伊勢志摩のアコヤ真珠を添えた髪飾り。ふっくらとした布の表情と、真珠の艶が上品な華やかさを添えてくれます。チェーンは取り外しができ、印象を変えて楽しめる点も魅力です。

 

白地・壺文様の浴衣

翡翠の涼やかさ、琥珀と真珠の個性ある光

 

 

白地の浴衣には、色石の個性がよく映えます。

淡い緑と白が溶け合う翡翠のUかんざし「清流の詩」は、水辺にきらめく光を思わせるような、涼やかで清らかな佇まい。

自然色の翡翠と、パールやビーズの繊細な輝きが、装いに透明感を添えます。

一方、「Art Nouveau Vine」は、乳白色の天然ミツロウ琥珀と伊勢志摩のアコヤ真珠を、蔦のように流れるイタリアのゴールドパーツで仕立てた一本。

翡翠よりも温もりがあり、クラシカルで優雅な印象に整います。

同じ白地の浴衣でも、翡翠なら涼やかに、琥珀なら少し個性的で華やかに。

石の色と帯の印象を響かせながら選ぶことで、その日の装いに自分らしい物語が生まれます。

 

 

有松絞り・矢羽根文様の浴衣

八角の凛とした光、絞りの花のやわらかさ

 

 

直線的な矢羽文様の浴衣には、八角形の端正なかたちがよく似合います。

「八光」は、日本の建具などに使われていたヴィンテージのダイヤガラスを八角形に仕立てた簪。

光を透かして浮かぶ模様やゆらぎは一つとして同じものがなく、静かな存在感があります。

八角形に重ねた「調和」や「新たな始まり」の意味も、装いに凛とした余韻を添えてくれます。

 

同じ浴衣にプラチナ色の三浦絞り花を合わせると、幾何学的な印象がやわらぎ、親しみのある華やかさへ。

帯や帯留めに合わせて、直線の美しさを重ねるか、花の丸みを添えるか。

小さな髪飾りひとつで、装い全体の空気が少しずつ変わっていきます。

 

 

髪飾りを選ぶ時間も、装いの一部

 

髪飾りは、装いを完成させるためだけのものではありません。

最後に髪へそっと添える、そのひと呼吸のような時間。

鏡の前で、

「今日はどんなふうに過ごしたいだろう。」

と心を向ける小さな所作が、気持ちまで整えてくれるように思います。

一着の浴衣も、帯や小物、髪飾りを変えることで、毎年新しい表情を楽しむことができます。

新しく揃えることだけではなく、手元にある一着を、その年の自分らしく着ること。

そこにも、装いを愉しむ豊かさがあるのではないでしょうか。

 

 

浴衣の季節を越えて

 

今回ご紹介した髪飾りは、浴衣だけでなく、着物や夏のお出かけ、洋装のまとめ髪にもお使いいただけます。

季節が移っても、装いを変えながら長く楽しめること。

それも、髪飾りを選ぶ魅力のひとつです。

その日の気持ちや装いに寄り添う一点との出会いがありましたら、嬉しく思います。

 

 

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